内田流短杖術


内田流短杖術


内田流短杖術 水月


日本の古武道には各流・各派共に棒術(六尺棒、四尺二寸~五寸杖、三尺短杖)と言われるものがあり、此れは樋口流・渋川流等柔術等にも皆あります。当流は約百三十年前安政の頃、平野三郎能得の兄弟弟子である内田良五郎が考案し、それ以来神道夢想流杖道とともに継承されてきた別名ステッキ術と言われているものです。杖の長さは約三尺位、直径八分位とされていますが、体長に応じて長くも短くも、自分の杖・ステッキとして使用しやすい長さにして結構です。

この術は、明治以降の西洋化の中で広く一般に用いられるようになったステッキを使い、神道夢想流の捌きを元に一角流捕縛術等を加味して編み出した十二本の形からなっています。打つ、突く、受け、当て身、逆技等理にかなっており、空手道、合気道やサイ・ヌンチャクの技も含まれています。当時内田良五郎は白石範次郎の道場にしばしば顔を出しており、この術が白石門下に伝えられ、現在にいたっています。

当初十一本からなっていたこの術ですが、大阪府警の武道師範故中嶋浅吉先生が四本目繰付と五本目の後杖を十二本目の脛砕きに取り入れ十二本として指導していたため、十二本で稽古している場合もあります。



一本目  小手打(こてうち)(左)
二本目  小手打(こてうち)(右)
三本目  捨身(すてみ)
四本目  繰付(くりつけ)
五本目  後杖(うしろづえ)
六本目  水月(すいげつ)(左)
七本目  水月(すいげつ)(右)
八本目  斜面(しゃめん)(左)
九本目  斜面(しゃめん)(右)
十本目  拳砕(こぶしくだき)
十一本目  入身(いりみ)
十二本目  脛砕(すねくだき)


TOPへ戻る / 付属武術へ戻る